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​栃木県動物愛護指導センターの課題

栃木県では収容動物の譲渡促進や適正飼育の啓発が進められていますが、実際の官民協働体制や虐待のおそれのある事案への現場対応には課題が残っています。

特に、下記の3点について、改善・対応・協力を訴えていきたいと考えています。​

01

団体等譲渡制度
における問題点

02

多頭飼育崩壊への事後対応
における​問題点

03

法律・ガイドラインの運用
における問題点

「殺処分数の大幅減少」を公表した​
その裏では…

栃木県では、センターに収容された犬や猫に新たな飼い主を見つけることを目的に、登録した保護団体やボランティアに譲渡する「団体等譲渡制度」を行っています。

栃木県団体等譲渡制度.jpg

​新たな飼い主への譲渡数が維持されていることが殺処分数の大幅減少に繋がっていると公式に発表していました。

しかしその実態は、収容された動物の大多数を、登録団体のひとつだった栃木しっぽの会へ丸投げするという杜撰なものでした。同会の不適切飼育の疑いについて、ボランティアや他団体から情報提供があったにも関わらず、行政は管理指導の責務を怠り、何年も放置し続けた結果、多頭飼育崩壊を招く結果となりました。

​同じことを繰り返さないよう、制度・運営の改善を強く求めています。

栃木県の現状2023

*宇都宮市は中核市として、県から動物関連の事務を含む権限移譲を受けており、殺処分ゼロを達成しています。(宇都宮市動物愛護センター「宮わんにゃんパーク」)

​当サイトで追及しているのは、「栃木県動物愛護指導センター」及びその収容施設になります。

1.​団体等譲渡制度における問題点

栃木県の団体等譲渡制度は、登録団体・ボランティアの飼育能力の実質的な審査や収容動物の譲渡後の監視体制が不十分で、問題の早期発見や対応を困難にしています。情報公開の不足も制度の透明性を損なうことに繋がっています。

登録団体・ボランティアの

​適性検査の不足

  • 登録団体・個人ボランティアの審査が形式的で、実際の飼育能力や管理体制を十分に把握していない

  • 適正な飼育や譲渡が行われているかなどのフォロー体制が不十分であるため、発見、指導が難しい​​

収容動物に対する

​医療や飼育管理の不足

  • 犬の健康状態が収容時より悪化しているケースがある

  • センター収容中に医療にかけることがほとんどない

  • ​感染症のまん延

​情報共有の不足

  • ドッグセンター(収容施設)の飼育状況が不透明

  • ​事前情報が少なく、譲渡を受ける収容動物の状態を知ることができない

ボランティアとの連携不足

  • 収容施設へのボランティアの立ち入りが認められていない

  • ​トレーナー、獣医など、外部機関との協力体制がない

2.​多頭飼育崩壊への対応における問題点

栃木県動物愛護指導センターは登録団体の多頭飼育崩壊に対し、飼育環境の実態把握や早期介入が不十分で、行政指導の遅れと監督体制の甘さが問題となりました。

不適切な譲渡の継続

  • 通報があったにもかかわらず、数年にわたり、団体の飼育環境や運営体制のチェックを怠った

  • ​一般的に考えて、団体の人員に見合わない頭数の動物(年間100頭以上)を引き渡し続けた

情報開示請求への対応

  • 情報開示請求に対し、現地の動物に関する写真、頭数など、重要な情報が黒塗りだった

  • 動物の個体情報や健康状態について、把握しているとはいえない

発覚後の対応における疑問

  • ​立ち入ったボランティアから提供された写真、現地の犬たちの状態、飼育状況を確認しても「問題はない」と判断した

  • 登録団体の取消は行わず、団体代表から登録辞退という形をとらせた

  • 刑事告発にあたる案件ではないと判断した

収容動物に対する

​医療や飼育管理の不足

  • 犬の状態が収容時より悪化している

  • センター収容中に医療にかけることがほとんどない

  • ​感染症のまん延

3.​法律・条例の運用における問題点

栃木県では殺処分ゼロなどの目標が掲げられていますが、現場での法令運用が追い付いておらず、啓発・指導・監視の連携が不十分です。制度上想定された対応がとられず、実務対応が後手に回っている傾向があります。

狂犬病予防法違反への指導

  • 狂犬病予防法違反が確認されていたにもかかわらず、違反者への迅速な指導や是正措置を取らず、放置された事例が複数ある

  • 狂犬病予防注射の接種率が年々低下しているにもかかわらず、県としての啓発活動や飼い主への周知が十分に行われていない

動物取扱業登録・届出について

  • ​栃木しっぽの会について、申請について十分な指導がなされておらず、未登録・無届のまま運営していた

  • ​過去に違反歴のある事業者が登録を更新できている事例があり、センターによる継続的な監視や指導体制が甘いと指摘されている

ガイドラインの運用不足

  • 動物虐待に至る可能性のある不適正飼養に対し、環境省から発表されている対応ガイドラインにそぐわない判断・対応がなされた

働きかけにより改善・変更された点については
こちらのページにまとめています。

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