栃木県動物愛護指導センターとの話し合い報告(2025年5月下旬)
- straydogsliferescu
- 8月25日
- 読了時間: 5分
5月下旬、栃木県動物愛護指導センターにて、以下の項目について話し合いを行いました。
話し合いの主な議題
栃木しっぽの会に残る78頭の犬について
すべて無回答だった公開質問状について
日光ドッグセンターの公開に関する現状について
収容動物の譲渡について
― 収容犬の移送とSNSでの里親募集における問題点
― 県外団体の登録開始に伴う課題
① 栃木しっぽの会に残る約80頭の犬について
開示請求により、十分ではないものの、継続的に現地を訪問し、指導と説得を行っていることが確認できました。
また、現地に残った犬たちの今後についても、当初予想していた以上に継続的な説得と話し合いがなされていることがわかりました。
センター側は、私たちと同じく、残る犬たちを行政で少しずつでも引き取って譲渡に進めたい意向を持っているものの、当事者である代表がそれを頑なに拒否しているのが現状です。
現時点では、同会について動物虐待の疑いで検察が捜査中のため、詳細は控えさせていただきます。
② 無回答だった公開質問状について
これまで全く回答がなかった公開質問状について、今回の話し合いの中で約8割の質問にご回答いただきました。捜査に関わる内容もあるため、詳細は後日、改めて公開いたします。
③ 日光ドッグセンターの公開について
現在、栃木県では、捕獲・保護された犬たちの殆どが、宇都宮市にある栃木県動物愛護指導センター内ではなく、車で40分ほど離れた日光市にある、栃木県ドッグセンターに収容されています。
しかしこの施設は、およそ8年前から非公開とされ、民間にはその実態が把握できない状況が続いていました。
私たちは2023年3月、ドッグセンター内の見学を申し出ました。当初は頑なに拒まれながらも粘り強く交渉を重ね、見学を実現しました。その後、「申請をすれば見学は可能」と対応が改善されましたが、申請の要否や審査基準が明確でないこと、そして見学を制限する根拠が曖昧であることは、依然として課題です。
本来、公的施設である以上、誰でも訪問可能な開かれた施設であるべきです。第三者の目が入らない構造は、ネグレクトや不適切な飼育を起こす民間シェルターと変わりません。
また、センター側の見解として「宇都宮の愛護センターは、そもそも収容を目的に作られた施設ではなく、現時点で収容する予定はない。ただし、建物の老朽化などにより将来的には可能性もある」とのことでした。
今後も、より透明性が高い施設運営がなされるよう、提案と話し合いを継続していきます。
④ 収容動物の譲渡について
収容犬の移送とSNSでの里親募集
上記③の通り、日光市のドッグセンターが非公開であり、犬との直接面会ができないため、引き取り希望者が現れた際には、犬を日光から宇都宮まで移送し、お見合いを行うという流れになっています。
この構造は、犬にとっても人にとっても好ましいとは言えません。
たとえば、お見合いが不成立だった場合、犬は片道1時間以上を2往復することになり、大きな負担がかかります。また、希望者も「犬に申し訳ない」と冷静な判断を失い、適切なマッチングが妨げられることもあります。
私たちは「収容施設内でのお見合いを可能にすべき」と提案しましたが、センター側は「現時点でドッグセンターの公開は考えていない」との回答でした。8年前に一部の保護団体とトラブルがあったことが、非公開の主な理由だと説明されました。
しかし、行政が過去の一部トラブルを理由に、公共施設の利用を制限し続けることは容認できません。引き続き、公開と見学の機会を確保するよう、話し合いを続けていきます。
また、2024年には、栃木県が突然、収容動物のSNSによる里親募集を禁止しましたが、現在は方針が一部緩和され、登録団体専用サイトに掲載されている写真・情報についてはSNSでの共有が可能となったとのことです。
県外団体の登録開始に伴う課題
栃木県動物愛護指導センターでは、本(2025)年度より、団体譲渡制度において県外の保護団体・ボランティアも要件を満たせば登録可能となりました。
しかし、県外団体に対しては、センター職員による登録時の現地調査がなく、さらに登録有効期間が従来の3年→5年に延長されたことで、定期的な監視や指導が困難であると考えています。
収容動物の譲渡後に多頭飼育崩壊や法令違反が発生した場合、県外団体との調整や責任追及が複雑化し、行政対応が後手に回る恐れや、責任の所在が不明瞭になるリスクもあります。
これらの点について説明を求めたところ、「手続き等に必要な事務作業が増えることに伴い、有効期間を延ばした。各団体・ボランティアに対しての譲渡頭数を制限・管理していく」との回答でした。
また、登録要件に、動愛法・狂犬病予防法・愛護条例等の違反により指導・勧告や処分を受けた者でも、5年以上経過していれば登録可能としている点は、早急に削除・改善していただくよう求めました。
この要件のままであれば、動物虐待犯や多頭飼育崩壊者でも、時間が経てば登録が可能ということになります。
しかしセンターとしては、「やり方を変更したばかりなので、実際に運営してみてから必要に応じて改善していく」とのことでした。
このような課題をふまえ、今後も、収容動物の譲渡制度にはより厳格な審査基準や監視体制の整備を求めていきます。
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