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07. 保護活動者とアニマルホーダー

  • 執筆者の写真: stophoukai2023
    stophoukai2023
  • 2023年12月7日
  • 読了時間: 4分

※こちらは、現場に立ち入った6名のボランティアがInstagramに共同投稿した記事の引用です。



【保護活動者かアニマルホーダーか】


昨今、よく報道されるようになった「多頭飼育崩壊」ですが、英語圏ではこれを引き起こしてしまう人物のことを「アニマルホーダー(直訳:動物を抱え込む人)」と呼びます。


【アニマルホーダーの定義】

①多数の動物を飼育している

②動物に対し、最低限の栄養、衛生状態、獣医療が提供できない

③動物の状況悪化への対応ができない

④環境悪化に対応できない

⑤本人や同居人の健康や幸せにマイナス効果が生じていることに対応ができない

(環境省 資料より)


保護活動者とアニマルホーダー。

全く対極の立場でありながら、紙一重にもなり得る存在です。


保護活動者が多頭飼育崩壊に陥る原因として、人々が真っ先に予想するのは

「動物の命を繋ぐため、善意から引き取りを続けた結果、世話や掃除が追い付かなくなってしまったのではないか」

ということではないでしょうか。


まさに私たち自身も当初は、林代表が保護活動者として犬猫を救いたいという一心で、キャパシティを超えてしまった状態なのだと予想していました。


しかし私共の立入直前にも、代表がブリーダーからペットとしてヤギ2頭を購入し、その小屋の建設に時間を費やしていたことが判明し、その予想は覆されました。



動画・写真は全て同日に撮影されたものです。


医療にもかけてもらえず外にも出られず、飢餓状態で苦しむ犬猫たちのすぐ横で、数十万円以上の高額な費用と時間をヤギたちに費やしていた心理は、到底理解できるものではありません。



シェルターと同じ敷地内に新設された小屋には、今回購入したヤギ2頭(オス・メス)と、以前林代表が他の現場から連れ帰った1頭(メス)の計3頭が、同じ囲いに入れられていました。避妊去勢もされておらず、繁殖してしまう恐れも指摘しましたが、危機感はない様子でした。


その上、新たな野犬・放浪犬の捕獲や、一般家庭からの犬の引き取りも途切れることはなく、直近まで続いていました。


保護した動物たちの最低限のお世話や繁殖予防にすら手が回らず、活動費を寄付や物資支援に頼っている状態で、さらに飼育動物を増やすことは、正常な判断力と責任に欠ける行動ではないでしょうか。


(現地の犬たちの様子)





これはアニマルホーダーとなる多くの人が持つ特徴で、「動物は自分のもとにいるのが一番幸せである」という思い込みから、多数の動物を収集する傾向があります。


本人は「かわいそうな動物を保護している」と信じているため、劣悪な環境下での飼育が動物を苦しめているということに理解が及ばず、動物を手放す(譲渡する)ことを様々な理由をつけて拒みます。


過去の多頭飼育崩壊の傾向をみると、たとえ第三者によって動物が全頭保護されたとしても、アニマルホーダーは再び同様の事態を繰り返す可能性も高く、根本的解決にはならないケースも多いのです。


また、多数の動物たちをやみくもに他者へ引き渡すことは、その先で新たな崩壊やネグレクト、脱走や遺棄等の二次被害を招く恐れもあります。避妊・去勢手術がなされていない状態ではなおさらです。


当事者のためにも、動物のためにも、まずは情報を開示して人々が携われる環境を整え、段階を踏んで解決にあたっていくこと、その後を注視していくことが必要です。


林代表は、他団体の協力のもと、今後も犬たちの飼育を継続していくとの発表が約2ヶ月前にありましたが(現在、投稿は削除されています)、シェルター内の様子や残る動物たちの状態、活動状況等も公開されておらず、危惧しています。


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多頭飼育崩壊を引き起こす要因は複数考えられますが、その根源は、シェルターが閉鎖的であったことではないでしょうか。


個人で運営するシェルターが身内以外の人間を排除し、外部の立入や指摘を受け入れない状態となることは簡単です。


今回の件に限らず、保護動物を収容する施設でありながら

  • 収容動物の数やその状態、保護の経緯等が明らかでない

  • ボランティアが介入できない

  • 見学希望者を全く受け入れない、内部を公開できない

といった状態は、危険信号です。


まずは、「シェルターはオープンであるべき」という意識を社会全体で持つ必要があり、応援する側、ボランティア、そしてシェルター代表が、動物たちの福祉が守られる環境を整えるために対話を行える関係性作りをすることが重要と考えます。また、支援する側もこの認識のもと、支援先は見極めていただきたいと願っています。


栃木しっぽの会には、当初の公約通り、ボランティアと協力体制のもと施設を健全化し、現状を明らかにするよう、引き続き求めていきます。



【共同投稿者】

@natsu.wolfhill_grmmmmm

@riiitan09

@one_for_rights

@mellow.rescue

@bc.mai

@kurashi_be


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