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08. 何度も“保護”される犬の苦しみ

  • 執筆者の写真: stophoukai2023
    stophoukai2023
  • 2023年12月20日
  • 読了時間: 4分

※こちらは、現場に立ち入った6名のボランティアがInstagramに共同投稿した記事の引用です。



【何度も”保護“される犬たちの苦しみ】


二次レスキューとは、一度は保護もしくは譲渡されたはずの保護犬が、保護主や飼い主による虐待・ネグレクトや飼育放棄を経て、再度の保護が必要になる事態を指します。


栃木しっぽの会にいた犬たちも


  • 保健所からの引き出し

  • 一般の方からの引き取り(有償を含む)、捕獲依頼

  • 別の多頭飼育崩壊現場からの保護

  • 他団体からの依頼、預託

など、経緯は様々ですが、それまでに少なくとも複数の人間が関わり、一度は“保護”されたはずでした。


関わった誰もが「命を救いたい」という気持ちだったかもしれませんが、現地確認やその後の追求をしなかった結果、犬たちは生き地獄へ。助かったはずの犬たちは、二次・三次レスキューが必要となる状態となってしまいました。


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タイトル写真の2頭は、栃木しっぽの会が以前、他の保護団体に委託した犬たちです。この団体も数年前に多頭飼育崩壊状態に陥り、当時、林代表は自身が引き渡した4頭(この2頭を含む)を連れ帰りました。


【画像②】は、その保護団体にいたときの2頭の様子です。


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林代表が連れ帰った4頭について、その後の情報が一切なかったため、所在を何度も尋ねていました。


林代表からは、

  • 1頭は死亡

  • 1頭は譲渡

  • 2頭はそれぞれ別の預かりボランティアさんのもとにいる

とのことで、栃木しっぽの会のシェルターには一頭も残っていないと伝えられていましたが、立ち入り時、現場で【動画③〜④】の状態の2頭を発見しました。




その後、同一個体であることを確認しています。

他2頭については、写真や譲渡書類等もなく、どうなったのかわかっていません。


【写真⑤】の犬は、林代表が今年9月、私共の立入直前に栃木県内の他の多頭飼育崩壊現場からレスキューしたとして、栃木しっぽの会のインスタグラムに掲載されていました。(現在、この投稿は削除されています)


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投稿には白い犬と、黒い犬がそれぞれ捕獲檻に入っている写真が添えられ、2頭どちらも保護時に足先を欠損していたとのことで、医療費の寄付を募っていました。


白い犬は私共でレスキューすることができましたが、黒い犬は立入時には確認ませんでした。林代表は「預かりボランティアのところにいる」と主張していましたが、こちらについてもいまだ確証は得られず、安否確認はできていません。


栃木しっぽの会はこの現場から多くの犬を連れ帰っていたのか、血が繋がっていると思われるよく似た犬たちが他にもたくさんいました。【後日レスキューした別の犬ー写真⑥】


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上記は私共で保護経緯を把握している犬たちの一部ですが、この他にも、栃木しっぽの会のシェルターには他の団体や個人から引き取った犬が多数いました。個体情報がいまだ開示されないため、安否確認のできない個体も多くいます。


現地の惨状と動物たちの状態を見た後では、この場所でいくつの命が人知れず消えていったのかと、考えを巡らせずにはいられません。


相手が保護活動者であったとしても、自ら飼育環境や動物の状態の確認をせず、人間性や考え方もよく知らない相手に命を託すことは、とても危険な行為です。


飼い主も行き場もない保護犬だからといって、たらい回しにされ、劣悪な飼育環境に置かれることは「仕方のないこと」ではない、という認識を多くの方に持っていただきたいです。


動物福祉の基本(5つの自由)は世界基準で定められており、動物と関わる上で遵守すべき最低限の事項です。


【動物福祉の五原則】

1. 飢えと渇きからの自由

2. 不快からの自由

3. 痛み・傷害・病気からの自由

4. 恐怖や抑圧からの自由

5. 正常な行動を表現する自由


動物を不必要に苦しめる行為は虐待であり、必要な世話を怠ったり、ケガや病気の治療をせずに放置したり、十分な食べ物や水を与えないなどのネグレクト行為もこれに含まれます。


栃木しっぽの会では、屋外に係留された状態の犬たちも多くいましたが、私共の立入時には水等もなく、適切とは程遠い状態でした。


【画像⑦ー屋外飼育の犬たちの様子】

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保護活動者の理念や考えは様々あり、ひとつではありません。

しかし、どんな理由があっても、本来最優先に考えなければならない動物たちの福祉が置き去りにされることは、あってはならないことです。


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今までの投稿で、動物をやみくもに他人に引き渡すことが、新たな崩壊や虐待を招きかねないことをお伝えしてきましたが、まさにここでも、同様の事態が起きていました。


こうした崩壊を再び引き起こさないためにも、多くの人と共に、原因や予防について考え、この現場にいた動物たちがまた同じような事態に陥ることがないよう、今後を追っていく必要があると考えています。


現在は公にお知らせできることが少ない段階ですが、引き続き取り組んで参ります。



【共同投稿者】

@natsu.wolfhill_grmmmmm

@riiitan09

@one_for_rights

@mellow.rescue

@bc.mai

@kurashi_be


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