不適切飼育【3. アニマルホーダー】
- stophoukai2023
- 2024年2月3日
- 読了時間: 5分
更新日:4月24日
アニマルホーダーとは、劣悪多頭飼育者を指す言葉です。
栃木しっぽの会代表も例外ではなく、下記の特徴全てに当てはまっていました。
【アニマルホーダーの3大特徴】
①動物のケアがそのひとの頭の中で大部分を占め、時間と収入を動物のためにほとんど使う。 ②支える人が周囲にいる。親族に認めてくれる人がいたり、スタッフやボランティアがいる場合もある。ホーダーは行政から動物を引き取るなど、行政が支えていることもある。そして、世間一般が「動物を助けるいい人。問題犬も幸せに終生飼育される所」と理想的イメージを持ち、支える。 ③自身の物理的な状況や環境等に意識を配ることは全くしない。また、動物収集に留まらず、周りに捨てられないものを沢山積む。動物保護家とホーダーの大きな違いは、ホーダーは新しい飼い主探しをほとんどしないことである。例えば、「私しかこのコのケアのコツを知らない」など1頭1頭譲渡できない言い訳を作る。愛護団体や動物行政に対し疑心暗鬼になり、介入者は動物を取り上げ、全部安楽死したいに違いないなどと考え、愛護団体が手伝おうともうまく通じず、状況は改善しない。 ホーダーにとって、動物が生きていること以外関心がなく、病気に対して最小限の評価しかしない。そして、メディアや一般に「自分は動物のためにしている、動物なしには生きられない」と動物好きの顔を売り込む。 ホーダーは終生に亘り、監督、管理体制のもとに置かなければ、動物を取り上げてもほぼ全員が同じ事を繰り返す。 環境省発行「平成21年度 動物の遺棄・虐待事例等調査報告書」より抜粋 |
このような状況・懸念から、事前の情報収集、緊急性の高い状態の動物のレスキューや移動、現地の動物たちの保護管理やシェルターの環境改善、刑事告発等、多くのステップに対し、慎重にならざるを得ませんでした。
際限なく飼育動物を増やす行為
栃木しっぽの会では「殺処分ゼロ」を掲げ、センター(行政)から計1,266頭の犬を引き取っていました。
クラウドファンディングページでも多数の犬を引き取っていることを代表自ら公表していますが、この数字が事実であれば、2021年時点で、譲渡できなかったおよそ170頭の犬が残っていたことになります。

行政からの引き取りに加え、栃木しっぽの会代表やその家族は、自ら野犬・野良犬・その子犬等を捕獲し連れ帰っていた他、一般の飼い主からの引き取りも有償で行っていたことがわかっています。
センターの記録やこれまでの調査から、数字上、生死や所在がわからない犬が少なくとも600頭以上いることになります。
今となっては、現地でどれだけの命が失われたのか、知る手立てもありません。
※関連記事:不適切飼育【1. 飼育頭数の過多】
避妊・去勢手術を行わず、子犬・子猫を生ませていた疑惑
シェルターへの立ち入り時、去勢が終わっていることを確認できた犬は数頭しかおらず、どの部屋にも、未手術の状態の犬たちがオス・メス同室に入れられており、到底、繁殖管理ができていたとは思えない状況でした。実際に現地からは、月齢・見た目も異なる複数の子犬たちがレスキューされています。
代表本人が「子犬のときに保護したが、引き取り手がなく成長してしまった」と説明していた犬たちも、レスキュー後に医療にかけたところ、妊娠・出産を経た形跡がありました。
この他にも、代表がシェルター裏手の小屋に閉じ込めていた子犬を、ボランティアの目を盗んで隠そうとしたことや、多頭飼育崩壊が発覚した後、乳飲み子の子犬数頭を内密に現地から運び出し、事実の隠蔽に加担している他団体がいるという情報提供もあり、客観的事実からも、シェルター内で繁殖があった可能性は非常に高いと考えています。
高額なヤギ2頭をペットとして購入
多頭飼育崩壊(飼育環境の悪化)に陥った理由として、代表本人は「2023年6月頃から体調を崩していた」と弁明していましたが、この期間中に数十万円もの費用をかけ、自身のペットとしてヤギ2頭(オス1頭・メス1頭)を新たに購入したことがわかっています。
※関連記事:保護活動者とアニマルホーダー
代表はもともと他の多頭飼育崩壊現場から連れ帰ったヤギ(メス・未避妊)を1頭飼育しており、私たちが現地を確認した際には、新に購入した2頭を加え、計3頭のヤギが同じ囲いの中に入れられていました。
このヤギの飼育スペースの隣にある建物の中では、ネグレクトを受けボロボロの犬猫が多数閉じ込められているという、なんとも度し難い状況でした。
▼現地の様子
代表に対しては、繁殖してしまう恐れを指摘し、去勢・避妊手術を勧めましたが、「もらい手がある」「お互い近寄らないから大丈夫」などとはぐらかしていました(別途録音あり)。
ヤギを販売したとみられるブリーダーのSNSには、このオスヤギが「種牡」として販売された個体であることが記載されていました。私たちは、そもそも、繁殖・販売等、利益を得る目的で購入した可能性も高いとみています。
すでに適正に飼育管理ができない頭数の動物を抱え、ネグレクト・崩壊に陥っていたにも関わらず、新たな動物を購入してまで増やしていたのです。
ヤギも繁殖してしまえば、さらに経済状況や残る動物たち1頭1頭にかける世話の時間がひっ迫することは明白であり、再び動物虐待の温床となりかねません。
行政の管理下で、さらなる繁殖が起きていないことを願うばかりです。
※(2024年11月更新)
情報開示請求により、センターの指導記録から、同会代表がこのヤギを営利利用を目的として購入・飼育に至っていたことがわかりました。
2023年11月6日 指導記録より▼
(代表からの聞き取り)「山羊については、第一種動物取扱業の登録を考えている。」
(センターの返答)「山羊の販売業については、家畜商免許が必要である旨を説明した。」
2023年12月18日 指導記録より▼
(代表からの聞き取り)「山羊は第一種動物取扱業の展示を考えている。業務経験について検討中」
(センターの返答)「山羊の取扱については、販売・貸出・展示等の話をしているので、今後本人の意思を確認して指導する。」
動物愛護法違反の容疑で捜査中でありながら、これからもまだ動物の命を利用して稼ごうとすることが許されていいのでしょうか。引き続き、センターの対応に注視したいと思います。
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